2008年12月9日火曜日

今日の質問

『程氏遺書』一五からの漢文の読み下しの質問を二つ。
1.若謂既返之氣、復將爲方伸之氣、必資於此、則殊與天地之化不相似。天地之化、自然生生不窮。更何復資於既斃之形・既返之氣、以爲造化。…氣則自然生。人氣之生、生於眞元。天之氣亦自然生生不窮。
2.道則自然生萬物。今夫春生夏長了一番、皆是道之生、後來生長。不可道却將既生之氣、後來却要生長。道則自然生生不息。

私は勝手にこう読みました。
1.若し既返の氣、復將に方伸の氣を爲さんとするに、必ず此を資すと謂わば、則ち殊に天地の化と相似せず。天地の化は、自然に生生して窮まらず。更に何ぞ復既斃の形・既返の氣を資して、以て造化を爲さんや。…氣は則ち自然に生ず。人氣の生ずるや、眞元より生ず。天の氣も亦自然に生生して窮まらず。
2.道ならば則ち自然に萬物を生ず。今夫れ春生じ夏長じ一番を了えるは、皆是れ道の生じて、後來生長す。却て既生の氣を將て、後來却て生長を要すと道う可からず。道ならば則ち自然に生生して息まず。

『程氏遺書』一八からの漢文の読み下しの質問を一つ。
3.曰、今天下未有無父母之人。古有氣化、今無氣化何也。曰、有兩般。有全是氣化而生者。若腐草化螢是也。既是氣化、到合化時自化。有氣化生之後而種生者。且如人身上著新衣服、過幾日、便有蟣蝨生其間。此氣化也。氣既化後更不化、便以種生去。此理甚明。

私は勝手にこう読みました。
3.曰く、今天下未だ父母無きの人有らず。古は氣化有り、今は氣化無きは何ぞや、と。曰く、兩般有り。全く是れ氣化にして生ずる者有り。腐草螢に化すというが若き是れなり。既に是れ氣化なれば、化時に到合して自ら化す。氣化し生ずるの後にして種生する者有り。且つ人身上に新しき衣服を著け、幾日を過ぎ、便ち蟣蝨其の間に生ずる有るが如き、此れ氣化なり。氣既に化して後更に化せず、便ち種を以て生じ去る。此の理甚だ明らかなり、と。
正しいと思われる読み方を投稿して下さい。

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

こんにちは。宋代の制度については、手元に工具書がないため、お答えできません。申し訳ない。恐らく専門の事典かなにかに当たらなければ、出てこないのではないかと思います。どなたか、詳しい方はいらっしゃらないですかね…。

1.ですが、僕もほとんど同じように読みましたが、「必資於此」の「資」を、「方伸の氣」は「既返の氣」に依拠して生ずる、の意で、「必ず此(ここ)に資(と)る」と読んでみてはいかがでしょうか。あとの「更何復資於既斃之形・既返之氣、以爲造化。」も同じく、「更に何ぞ復た既斃の形・既返の氣に資(と)りて、以て造化を爲さんや。」というのはどうでしょう。

2.道は則ち自然に萬物を生ず。今、夫(か)の春生じ夏長じ了(おは)ること一番なるは、皆な是れ道の生じて、後來生長するなり。既生の氣を將て、後來却て生長を要すと道却すべからず。道は則ち自然に生生して息まず。

「夫」は、「そもそも」といった強い語調よりも、少し柔らかい「かの」でしょうか?「了」は、ここでは重い意味ではなくて、動詞のあとにくっついて完了・実現を示す添え字で読んでみました。「不可道却」の「却」も、「道(い)ふ」にくっついて完了を表わす添え字ではないかと思います。「心頭滅却すれば…」の「却」ですね。

3.曰はく、今、天下未だ父母無きの人有らず。古は氣化有りしに、今は氣化無きは、何ぞや、と。曰はく、兩般有り。全く是れ氣化にして生ずる者有り。腐草螢に化すが若き、是れなり。既に是れ氣化なれば、合(まさ)に化すべき時に到りて自ら化す。氣化し生ずるの後にして種生する者有り。且如(たと)へば人身上に新しき衣服を著け、幾日を過ごさば、便ち蟣蝨其の間に生ずる有らん。此れ氣化なり。氣既に化して後は更に化せず、便ち種を以て生じ去(ゆ)く。此の理甚だ明かなり。

「到合化時」の「合」は、「まさに…べし」で読みました。それから「且如」は、習慣的に二文字ごと「たとへば」と読んでしまいますね。「只如」「即如」もそうです。ただ、「かつ…ごときは」でも、意味は同じなので問題はないです。

ウソツキ恒ちゃん さんのコメント...

いつも投稿ありがとうございます。そして的確なご助言、ありがとうございます。
1.の「資」ですが、「とる」と読まれましたので、改めて「よる(由る)」と読むのも可能かなぁと思った次第です。
2.はとてもよいですね。
3.「合」と「且如」は気が付きませんでした。ありがとうございます。

ここ当分、漢文(白文)を読まなければならないので、度々質問を出すと思います。その際は宜しくお願いします。

ウソツキ恒ちゃん さんのコメント...

良南釣徒様
私の知っている先生にもここの質問をしたのですが、良南釣徒様はかなりの専門家だろうとのことでした。
そして、「到合化時」は「合化の時に到って」でよいのでは?とのこと。「合化」=「化合」とみたそうです。

匿名 さんのコメント...

 「合化」を熟語で読めれば、文章がよりスムーズになりますね。しかし、「化合」というのは近代の造語のにおいがします。少し違和感を感じます。細かくてすみません…。
 わたしは現在、地方で、学問とはまったく関係ない仕事をしています(苦笑)漢文は大学と大学院で少し習いました。こういった文献を読むと、ホッとするんですよねぇ。
 メールを差し上げようと思ったのですが、いまいちoutlookの使い方が分かりませんでした(汗)

ウソツキ恒ちゃん さんのコメント...

良南釣徒様;

私もすっかりと田舎人です。
でも、ホームページやブログは何処にいても話ができるのがいいですね。
メールのこと、『黙斎を語る会』の「mail」(掲示板欄の下又は右)は私のメールアドレスです。これを使うとよいですよ。