2009年1月30日金曜日

久し振りの質問



























久し振りの質問は稲葉黙斎の冬至文からです。これは「黙斎を語る会」が最初に読んだ黙斎の文で、HPにも載せてありますが、今もかなりの間違えがあるままになっています。・・・わかるところは近く訂正するつもりです。

ここで質問とするのは左側から4行以降の以下の句です。
先師記其後曰、聽得尤善。抑々吾 邦自神武以来此學未開矣。欲得其未開之學於己、豈浮沈于武人俗吏之間畏縮險巧桀黠之徒者之所能得耶。先生標的鞭策之編良有以也吾人所宜致思而勉勵也。
読みはざっと、「先師其の後に記して曰く、聴き得る尤も善し。抑々[そもそも]吾が邦神武より以来、此の学未だ開かざるなり。其の未だ開かざるの学を己に得んと欲せば、豈に武人俗吏の間に浮沈し、畏縮・険巧・桀黠 [けっかつ]の徒なる者の能く得る所ならんや。先生、標的鞭策の編良[まこと]に有以也。吾人宜しく思いを致して勉励すべき所なり。」となるでしょうか?
ここでわからないのは、「有以也」の読み方です。
「以」を辞典で調べると、「もってする」とか「おもう」とかありますが、また、「これ、この」という意味もある様です。「これ」の意であれば、「先生、標的鞭策の編良[まこと]に以[これ]有り。」となるのですが。どうでしょう?

8 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

 今晩は、お久しぶりです!
 前後の文章をしっかりと読んでいないのですが、「以」には「ゆえ」という名詞の読みがありますので、「以(ゆえ)有るなり」というのはいかがでしょうか?

ウソツキ恒ちゃん さんのコメント...

良南釣徒様 
本当にご無沙汰しております。
「有以」の「以」は名詞的な語だと思ったので、「これ」と読んだのですが、「ゆえ」の方が無難かも知れません。
内容は、「日本では今まで本当の学問がなかった。本当の学問を自分に得ようと欲するのであれば、武人俗吏の間に浮沈する様なことでは成らない。
佐藤直方先生の道学標的と講学鞭策録の編は実に有以也
皆がしっかりと思いを致して勉励すべき所である。」です。
道学標的は学問の目当てを述べ、講学鞭策録は立志を述べた書です。
有以也は、「以てすること有るなり」とも読めるでしょうか?

匿名 さんのコメント...

前後の部分の訳、ありがとうございます!道学標的と講学鞭策録は佐藤直方の著書のことだったんですね。
 「以てすること有るなり」の読みは、自分にはいま一つ文章の意味が分かりませぬ…。
 文末の「有以」を「理由がある、根拠がある」という意で、「ゆえあり」と読む例はありますので、やはりこの読みを推したいっす(笑)

ウソツキ恒ちゃん さんのコメント...

やはり「ゆえ」ですか。
冬至文本文のここの部分を訂正しました。
また、暫くしたら質問を出しますので、宜しくお願いします。

匿名 さんのコメント...

 たびたび失礼します。
 「冬至文」のこの部分を読ませていただきましたが、ここの「ゆえ」ありというのは、恐らく佐藤直方先生が『道学標的』と『講学鞭策録』を編したことが、ちゃんとした理由や意図があることだ、と言いたいのだと思います。
 その理由は、直前のところで「生半可なことではこの道を体得できないぞ!」といってますので、人に道の所在を明確に掲げ示し、人を「鞭策」して道に向かわせることです。
 なので、訳としては、「佐藤直方先生が『道学標的』と『講学鞭策録』を編まれたのは、本当に理由のあることなのである。」のような感じになると思います。

ウソツキ恒ちゃん さんのコメント...

どうもご助言、ありがとうございました。
原文を直すことまでしか頭にありませんでした。【解説】と【通釈】も直しておきます。
冬至文の訳は10年位前の作業で、今読むと原文・講義ともにかなり訂正をしなければならないと感じた次第です。今一講をチェックしているところですが、五講までチェックを終えたら、全面的に修正をする予定です。

匿名 さんのコメント...

 【通釈】は直されていなかったんですね。早とちりしました。最近は少し忙しくなってしまって、きちんと調べてコメントすることができません。申し訳ないです!
 『冬至文』全部直すのですか。骨が折れそうですが、また楽しそうな作業ですね♪

ウソツキ恒ちゃん さんのコメント...

【通釈】を直さなかったのは私のミスです。どうぞこれからも忌憚なくご指摘下さい。当方は非常に助けられているのですから。

前に黙斎を語る会で本年中に本を出すということを述べました。「黙斎の思想」が私の受持ちなのですが、冬至文をメインにそれを書こうと思って、今、冬至文講義を読み直しているところです。
今まで分からなかった程子の語の引用など、ご助言により程子の書を入手したことで、やっと読みを確認することができたなどということもあります。
成果を直ぐに期待せず、地道にこれからも読みを続けて行こうと思っている次第です。
また、質問しますョ。