2008年10月13日月曜日

今日の難文

初めての難文。これは質問ではなくて問題です。自分だけでは読めなかったものの一つです。
出題;
所謂明哲者、只是曉天下事理、順理而行、自然災害不及其身、可以保其祿位。今人以邪心讀詩。謂明哲是見幾知微、先去占取便宜。如揚子雲說 明哲煌煌、旁燭無疆、遜于不虞、以保天命、便是占便宜底說話、所以它一生被這幾句誤。然明哲保身、亦只是常法。若到那舍生取義處、又不如此論。
出典;
朱子語類81の詩経烝民のところ。
ヒント;
黙斎中庸章句27講義。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

 通りすがりのフリーターです。以下のように読んでみました。「所謂明哲とは、只だ是れ天下の事理を曉り、理に順ひて行かば、自然に災害其の身に及ばず、以て其の祿位を保つべし。今人邪心を以て詩を讀む。謂へらく、明哲は是れ幾を見、微を知り、先ず去きて便宜を占取す、と。揚子雲 明哲煌煌、旁(あまね)く燭(てら)して疆(かぎり)無し、不虞を遜(のが)れて、以て天命を保つ、と説くが如き、便ち是れ便宜を占むる底の說話なり、所以(ゆゑ)に它(かれ)は一生這の幾句に誤たる。然れども明哲保身は、亦た只だ是れ常法なり。若し那の生を舎てて義を取る處に到りては、又た如此の如くは論ぜず。」

ウソツキ恒ちゃん さんのコメント...

よい感じですね。
点のない白文での質問ですみません。「明哲煌煌、旁燭無疆」ですが、私も全く匿名さんと同じ様に読みました。
点の通りに読むと「明哲煌煌として、旁く無疆を燭す」となります。
「遜於不虞、以保天命」も全く同じように読みました。ところが「遜於不虞」の意味ですが、不虞に出合っては身を退くということなので、「不虞に遜[しりぞ]きて」がよいと助言を受けたことがあります。それがあって、質問箱に載せた次第です。
一方で、文意が通じればどの様に読んでもよいと思っています。

匿名 さんのコメント...

 突然コメントをして申し訳ありません。「遜於不虞」ですが、僕もどちらでもよいと思っています。いずれにせよ「退避する」の意ですから。中国北宋時代の司馬光というひとは「不虞に遜(したが)う」と読んでいますね。揚雄が簒奪者王莽が建てた「不虞」なる王朝に仕えたことを読み込んで、解釈しているようです。しかし、揚雄の本意としては、やはり「不虞」を「退避する」ということなのではないかと思います。

ウソツキ恒ちゃん さんのコメント...

書き込み、ありがとうございます。
司馬光はそう読んでいますか。
そもそもこの文は「遜於不虞」とする揚雄の軟弱な出処を批判するのと同時に、「那の生を舎てて義を取る」、そういうのも明哲保身ではないと言う、そんなところが面白いと思います。